レビュー
【読む映画】 章立てで、そして映像はカラーとモノクロが切り替わる。雑誌社が舞台の本作は、まるでカラー写真つきのモノクロ記事を、一枚一枚めくって読み進むような不思議な映画体験。ウェス監督の世界観大爆発。 ◆トリビア 〇4秒程のシーンで、45回撮り直し、ティモシー・シャラメが圧倒された。(https://www.cinemacafe.net/article/2022/01/28/76991.html) 〇ウェス・アンダーソン監督とオーウェン・ウィルソンは大学で相部屋だった親友。(https://moviewalker.jp/news/article/1062667/image10593134/) ○ シアーシャ・ローナン、エリザベス・モス、クリストフ・ワルツがカメオ出演している。(https://www.newsweekjapan.jp/stories/culture/2022/01/post-97940.php) 〇ウィレム・デフォーもカメオ出演している。(https://www.fashionsnap.com/article/movie-pickup-january2/) 〇本作はウェス・アンダーソン監督が学生時代に愛読していた雑誌「ザ・ニューヨーカー(The New Yorker)」で実際に働いていた記者や編集者、ライターをかなり参考にしている。(https://www.fashionsnap.com/article/movie-pickup-january2/) 〇撮影時は、キャストとスタッフが同じホテルに宿泊し、食卓も一緒に囲んでいた。(https://www.cinemacafe.net/article/2022/01/28/76991.html) ○本作は一つのレポートと三つのストーリーで構成されていて、その第一話は、オムニバス映画『ニューヨーク・ストーリー』(89)の中の「ライフ・レッスン」(マーティン・スコセッシ監督作)に影響を受けたと監督が語っている。(https://news.yahoo.co.jp/articles/29c3ed911ebec01d890628f7686bb12663feb60a) ○ ウェス監督の次回作をスペインで撮影中。(https://www.cinemacafe.net/article/2022/01/21/76900.html) ◆概要 第74回カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品作品。 【監督・脚本】 「犬ヶ島」ウェス・アンダーソン(本作が長編第10作) 【出演】 「ミッドナイト・イン・パリ」オーウェン・ウィルソン 『ゴーストバスターズ』シリーズ ビル・マーレイ 『スリー・ビルボード』フランシス・マクドーマンド 「ドクター・ストレンジ」ティルダ・スウィントン 『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』ベニチオ・デル・トロ 「君の名前で僕を呼んで」ティモシー・シャラメ 『007』シリーズ ジェフリー・ライト 『007』シリーズ レア・セドゥ 「レディ・バード」シアーシャ・ローナン 【公開】2022年1月28日 【上映時間】103分 ◆ストーリー 国際問題からアート、ファッション、グルメに至るまで深く切り込んだ記事で人気を集めるフレンチ・ディスパッチ誌には、ひと癖もふた癖もある才能豊かなジャーナリストたちがそろう。ある日、編集長が仕事中に急死し、遺言によって廃刊が決定してしまう。 ◆関連作品 ○「グランド・ブダペスト・ホテル」('14)(ウェス・アンダーソン監督の代表作で、第87回アカデミー賞4部門受賞作品。ディズニープラスで配信中) ○「犬ヶ島」('18)(ウェス・アンダーソン監督の前回作で、近未来の日本が舞台のストップモーションアニメ。第68回ベルリン国際映画祭最優秀監督賞受賞作品。プライムビデオレンタル配信中) ○「ミッドナイト・イン・パリ」('11)(オーウェン・ウィルソン主演の代表作) ◆ ◆以下ネタバレ ◆ ◆情報過多 独特のカメラワークに、全てのカットの隅々まで情報と演出が積み込まれているような、むしろ情報過多な、ウェス監督の世界観がたっぷり。字幕を読みながら、一度の視聴で感じ取れる情報はほんの一部のような気がして、見終わるとどっと疲れる笑。でもその分、2度目も3度目も見たくなる。 ◆読む映画 途中でなんとなく分かってきたのは、モノクロ映像は記者が書いている記事(新聞でも雑誌でもテキストはほぼ白黒)、カラーはその誌面に載せる写真やイラスト、という演出。モノクロからカラーに、カラーからモノクロに映像が切り替わる意図が分からず途中まで消化不良だったけど、顕著だったのは第3部の息子を誘拐された警官宅での夕食シーン。画面右ではジェフリー・ライトのナレーション入りで食事のモノクロ情景描写、左ではその一皿一皿の物撮りがカラー。つまり右側では雑誌の誌面のテキストを読み、左でそのイメージ写真が掲載されている、スクリーン全体でグルメ雑誌を読む感覚に。本作がまさに「ザ・フレンチ・ディスパッチ」という雑誌を読んでいる感覚になれる、不思議な映画体験だった。部屋を覗き込むシアーシャ・ローナンの緑色の目が際立つカラーのシーンや、カラーのアニメーションが、まさに誌面のテキストの間に差し込まれる写真に見えた。 ◆豪華キャスト 「スリー・ビルボード」「ノマドランド」の本格派な熱演が印象に新しいフランシス・マクドーマンドが今をときめくティモシー・シャラメとヤっちゃうとは笑。ベニチオ・デル・トロにジェフリー・ライトにレア・セドゥ、マチュー・アマルリック、クリストフ・ヴァルツまで出てくればこれはもはや「007」笑(レア・セドゥのフルヌード見れるなんて聞いてない笑)。ウィレム・デフォーにティルダ・スウィントン、ベニチオも含めてマーベル組の存在感もあって、それこそまさにアベンジャーズな本作キャストの豪華ぶりは、見ているだけでもワクワク感があった。 ◆ 正直、ウェス監督の作品には少し苦手意識があったのだけど、“雑誌を読む”、映画とは異質の感覚にここまで引き込んでくれたのは驚き。また映画というものの奥深さを感じた一本となりました。 引用元 https://eiga.com/amp/movie/91844/ https://ja.m.wikipedia.org/wiki/フレンチ・ディスパッチ_ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊
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