レビュー
90年代イギリス音楽業界を舞台とした、最高に悪趣味な(誉めてる)ビジネスサクセスストーリー。音楽好きには堪らない用語や劇中曲満載で、それだけでも楽しめるのでは…! 展開もテンポ良くて、長さも丁度いいし、イギリス特有のブラックな笑いも随所に見られる。 それにしても、主人公が本当にクソみたいな奴(誉めてる)なんだけど、野心の塊のような人物描写具合があまりにも振り切れていて、観ているうちにこちらも麻痺してくるのか、ある種の爽快感を覚えてくる。だんだん彼の成功していく(この表現が正しいとは言えないけど)姿が魅力的に見えてくるし、最後まで目が離せなかった。ただあまりにもブラック過ぎて、好き嫌いは極端に分かれそう… 主演のニコラス・ホルト、あの『about a boy』の優しくて不器用で、ちょっとだけ変わり者の男の子の印象からは到底想像できなかった『極悪人』っぷりをこれでもか!と魅せてくれる。まさか彼からこんなに沢山Fワードが聞けるとは…冒頭の語り、カメラ目線での『you won't last 10 minuits』と言うところ、飛行機のトイレでコカインきめて、紙筒を鼻に突っ込みながら『cigarette&alcohol』を歌うとこ、ウダツの上がらない同僚に先を越されて、自分の尊敬するアーティストを小馬鹿にされ、我慢できずに殺しちゃうとこ笑笑などなど、見所は沢山あり。 ニコラスくん、本当に演技が上手で、ライバルから救われるシーンもあるのだが、その時の弱りっぷりとか、敵に諭されて心を改めるのかなー?って思わせといて極悪な事やっちゃうのがもう本当怖かった。怖すぎて笑っちゃう笑 神経質そうな所作や相手と対峙する時、瞬きせずに見つめるなどどこかサイコパスっぽい雰囲気が最高。 惜しむらくは、邦題があまりにもダサいこと。原題の『kill your friends』の方が良いのになー。
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