
my life
3 years ago
4.5

バレット・バレエ
映画 ・ 1998
平均 3.2
「BULLET BALLET」を超久々に再鑑賞してみた。監督は一際異彩を放つ塚本晋也。この頃の作品は特にそう思わせるような不思議な魅力に溢れている感じ。 主演も塚本晋也。真野きりなとの共演だ。鈴木京香やBLANKEY JET CITYの中村達也も出演している。鈴木京香は回想シーンだけのオマケのような出演。それにしても、中村達也は半グレリーダー役が似合う似合う。井筒監督のヤクザ役も貫禄あり。鉄男でお馴染みの田口トモロヲも出ていたのだ。 映像はモノクーム一辺倒だが本作のような作品には非常にマッチしている感じ。暴力的でありバイオレンスな描写も多いのだが個人的には塚本作品では一番好みかも。 内容的には銃にとりつかれた男の話。恋人を拳銃自殺で亡くしてから夜の街を彷徨うようになり…そこで、出会う真野きりな。偶然ではあるが何処か必然性があるかのような展開が面白い。 テイストや描写は全然違えど何処かウォン・カーウァイっぽさがあるようにも感じる本作。それは、真野きりなの個性にも尽きるような感じでもあるのだが感覚や感性で楽しむべき作風であるのも…その要因かも。 とにかく、一般ウケするような大衆向けの映画では決して無いがカルト的な強みがあるような力強さを感じる逸品。 キーワードは何だろう。 やはり、タイトル通りバレット(拳銃)とバレエ(谷間)かな。この二つのワードに込められた意味はとりわけ深い。あと個人的には刹那と言う単語を連想してしまう。決して、そうでないかも知れないが刹那的な美しさも秘めいるようでもあった。