レビュー
てる

てる

3 years ago

4.0


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ラビリンス 魔王の迷宮

映画 ・ 1986

平均 3.3

これは掘り出し物だった。聞いたこともなかったけど、マペット物の名作だと思う。 とある少女が義理である赤ん坊の弟を助け出すために迷宮に迷いこむ話し。この少女が何歳の設定なのかわからないが、年のわりには少々子どもっぽい。今で言うところの中二病だ。だがそれは、父や義理の母などの家庭での不満があるからこそなのかもしれない。 しかし、冒険を乗り越えたことで、人間として少しは成長できたようだし、違う世界の友達も出来たようで一安心。 しかし、何と言っても世界観がすごい。マペットの造形やセットが作り込まれている。そりゃこんだけ作り込まれた美術セットの中で撮影してたら面白いものが出来上がるよな。あの世界観に飛び込んでいきたい。 現在の技術でこの作品をリメイクしたなら、CGで描かれる世界になってしまうことだろう。だが、そうなってしまったなら、この作品の良さは死んでしまう。 この作品の良さは人の手によって作り込まれた温かみのある造形たちだ。特にマペットだ。 マペットの第一人者の監督が手掛けたこのマペットは奇妙だが、愛嬌があり、何故か可愛らしく見える。子どもが好きそうなそんな造形をしている。 キャラクターも可愛らしい。でも、ヘンテコな世界観がある。気持ち悪いと可愛らしいの絶妙なバランスだ。これ以上可愛らしいと子どもっぽくなってしまうし、これ以上気持ち悪いと引いてしまう。そのバランスが素晴らしい。 その奇妙な世界観は『不思議の国のアリス』のようだ。あの作品が好きな人はこの作品を絶賛することだろう。 そして、奇妙なんだがハッピーエンドなのもいい。果たしてこの終わり方は捉えようによっては、気味が悪いのだけど、それもまた面白く感じる。 子どもには夢を与え、大人には奇妙な感覚にさせる不思議な魅力のある作品だ。クリスマスに家族で楽しみたい作品だと思う。