レビュー
星ゆたか

星ゆたか

1 year ago

3.5


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LOVE LIFE

映画 ・ 2022

平均 3.3

2024.11.29 【座談会レビュー*38】 「淵に立つ」(16)「よこがお」(18)「本気のしるし」(20)などの深田晃司監督作品です。久々の座談会にお集まり頂いたメンバー、光みちる、風かおる、雲かすみ、そして星ゆたかでお送り致します。どうぞ宜しく😃✌️。 (星)子連れ女性と結婚して1年。その息子(7歳)のオセロ大会優勝を祝う会に。結婚に反対の夫の父親の誕生祝いも込めて。何とか『認めて貰いたい』と気を使う嫁のある1日に起きた。その事故をめぐるその後の家族の各々を描いた作品です。 (光)タイトルと主題歌になっている矢野顕子さんの❲LOVE LIFE❳を監督が昔から好きで。 ♪『どんなに離れていても愛することはできる 心の中ひろげる やわらかな日々 すべてよいものだけ 与えられるように LOVE LIFE』。監督はこの詞の中の愛は恋人同士だけでなく、いろんな解釈ができる。生きている人だけでなく、それは死んでいる人かも知れない。だからいろんな距離の愛が連想できると思ったそうです。 (風)もともと矢野顕子さんの歌は多義性があって〈愛してる〉には色々な意味があると。その中でも《微笑みをくれなくてもいいから生きていてね》といった所に惹かれたとか。この作品制作中にコロナ禍で。オンラインの状況下になり。尚更『どんなに離れていても愛することができる』の意味が更新されたとも。 (雲)主な登場人物は木村文乃·永山絢斗演じる大沢夫妻と。神野美鈴·田口トモロヲの夫の両親。そして木村文乃の元夫(息子の父親)の砂田アトム。永山絢斗の夫の前の彼女山崎紘菜の大人の6人で。(子供は嶋田鉄太)。各々みんな互いに気を使いながらも。勝手な言動が時々、チラリ、ポロリとこぼれ。時に見ている側にはイラついたりするんですけど。また一方でとてもそれが“人間的”なんでしょうね。私たちは日頃、自分たちの言動を意識してみれば。 『嘘と裏切り』と『本音と体裁』を繰り返しているんだなぁって思いました。 (星)そうそう。最初の祝いの席で。趣味の釣りざおの話から。義父の『中古でもいいものと駄目なものがある』の“中古”が子連れ嫁を差している風に聞こえ(事実義父はそう発言)。 嫁が『中古を取り消して下さい』と言えば。 そんな夫の発言と嫁の仲をつくろいながら。義母は一方で悪気はないのだけれど。 『今度は本当の孫を早くね』などとつい言ってしまう。 (光)だいたい妻の元夫が4年も失踪していて。 新聞記事で息子の死(祝いの中、誤って貯めてあった水風呂に落ち頭を打ち卒倒し、それで溺死)を知って。葬儀中に訪れ、驚きとショックで思わず元妻を平手打ちする身勝手さ。 この後彼は聾者である事(それが一般的には怒りに障害者への同情が混じる)と。 彼は後に妻に誤ります。 ただ妻はここで怒ってくれて自分が葬儀場で泣き崩れた事は。 亡くなった息子を周りの人達が忘れようとせず、強い記憶になって、良かったと妻はあそこで自分が泣いた事を悪くとらない。 (風)この妻と元夫の関係。 そして夫の元彼女の関係の物語の後半は。 常識からは、ちょっと不思議で。 妻の方は生活相談センターに勤め。ボランティアでホームレスの世話仕事をしていて。手話ができるので。生活保護の申請に来た元夫の世話をします。生活相談センターと市役所は歩いて数分の所にあります。 夫は市役所の福祉課主任の立場上。 妻が聾者の元夫の世話をするのも手話が出来るから、仕方ないと思ってる。 そしてこの夫は、結婚間際で元彼女を現妻との浮気が原因で降って妻と一緒になった。ただ元彼女とも職場が一緒で息子の死後2度会ったりする(2度目は泣く彼女と軽くキス)といった具合。 何故そんな事になるかといえば。 ここで元彼女は心情を告白。 『貴方達がめちゃくちゃになればいいと怨んでいたら、子供が亡くなって、大変ショックだった』と話し。 市役所をしばらく休職している経緯を。 その彼女の実家近くに今度大沢さんの両親が引っ越す事になり再会する訳です。 (雲)この作品で監督は。【人間は孤独】と言う事を言いたかったと。 【人はいつか死ぬ事】 これは決して逃げる事の出来ない真実。 誰もが向き合わなければならない事だと話します。 また私たちは人との関係で人間性や行う言動が左右されるものだとも。 だからこの映画で自分達の立ち位置が。 物語の中で一つずつ剥ぎ取られていく様子を描いたそうです。 彼らの言動は一見、理屈に合わないかもしれないけど。 それがまた人間なんだと。 その中で義母が引っ越す前、嫁が息子が亡くなった風呂に入れず。 義父母の所の風呂に入りに来る所。 ベランダで嫁と煙草を吸いながら。 教会信者に入った義母は『信仰は、死への恐怖から守ってくれる心の支え』(息子の死は防げなかったけれど)と話す場面も印象的でした。 (星)この映画に監督が聾者の人間を物語の中に入れたのは。 手話は空間を使った言語なので。ダイレクトに映像的。 と言うが、その特性の逆の場面として。 夫が嫁の元夫に背を向けて話す所。 元夫は画面奥で、聞こえないから勝手に自分の事をしている。 その前で現夫はこれまでの不満を言うのです。 それとこの映画で印象として付け加える事としては。 あのベランダの鳥よけ(イタズラ·糞よけ)の吊り下げCDの光のきらめきが。いいところで話の援助演出になってましたね。義父母の所でも後で付けて。 あちらのベランダの嫁と元夫の仲のいい所をこちらの現夫を気ずかせる“✨きらめき”になる場面です。 それでは話も尽きませんが。 この辺でお開きに。 ありがとう😃ございました。