レビュー
dreamer

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4 years ago

5.0


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巴里のアメリカ人

映画 ・ 1951

平均 3.3

"ミュージカル映画史に残る17分のダンスシーンが素晴らしい 「巴里のアメリカ人」" この「巴里のアメリカ人」は、「雨に唄えば」「イースター・パレード」------数々のMGM名作ミュージカルを生み出した名プロデューサー、アーサー・フリードがジョージ・ガーシュインの曲をモチーフに手がけた傑作だ。 そして、監督は名匠ヴィンセント・ミネリ、主演はジーン・ケリーとレスリー・キャロンというように、まさに夢のような映画なのです。 物語は、第二次世界大戦後、画家を目指してパリに残ったアメリカ人のジェリー(ジーン・ケリー)は、ある日金持ちの美人画商に見初められる。 しかし、彼女と一緒に行ったクラブで可愛らしいパリジェンヌ(レスリー・キャロン)に一目惚れ。 ジェリーは、猛烈なアタックを開始するが、彼女は友人の婚約者だったのだ------。 これだけの立て役者が揃えば、傑作ができないわけがありません。 ということで、この作品はハリウッド・ミュージカルの傑作中の傑作で、その理由はダンスシーンだけでなく、当時のハリウッドを思い起こさせるコメディ要素を多分に含んでいるためではないかと思います。 まず冒頭のシーン。ジーン・ケリー演じる画家の卵ジェリーが、朝目覚めるところからこの映画は始まります。 むくっと起き上がったジェリーは、はめ込み式のベッドを足で蹴り上げ、片手を天井に伸ばしてヒョイとタオルをつかむと肩へ。 間髪を入れず、戸棚からテーブルセットを取り出して、窓の外にあった花と果物をテーブルの上へ------。 これで出来上がり。初めてこの映画を観た時、憧れましたよね、こういう部屋。 そういえば「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の冒頭にも、時計に反応して犬のエサが自動にセットされる仕掛けが出ていましたね。そして「チキ・チキ・バン・バン」にも------。 子供の頃だけでなく、いくつになっても宝物のように大切にしておきたいものがありますが、そういった意味で、この作品は私にとって宝箱のような映画なんですね。 またピアニストのクックだけが、ジェリーともう一人の友人が、同じ女性に恋してることに気づき、パニックを起こす名シーンがあります。 恋について真面目な会話をする二人を目の前に見せる、クック扮するオスカー・レヴァントの演技が絶妙だ。 言うなれば、一人時間差演技といった感じなのです。 このように、この作品はコメディの要素に満ちあふれているのですが、やはり、この作品が素晴らしいのは、10の名曲がダンスや唄のナンバーとして全編に散りばめられ、特にラストの17分に及ぶ、ミュージカル映画史にも残り得るダンスシーンは圧巻です。 恋のさやあてとコメディ------シェークスピアの喜劇要素をダンスで仕立てた、まさにハリウッド・ミュージカル映画の金字塔とも呼べる作品だと思いますね。