レビュー
YOU

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5 years ago

4.0


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くまのプーさん 完全保存版

映画 ・ 1977

平均 3.7

2021年04月02日に見ました。

ウォルフガング・ライザーマンとジョン・ラウンズベリーが監督を務めた、1977年公開のオムニバス作品。 「くまのプーさん」の長編第1作である本作は、60年代に制作された3本の短編作品を1本の長編アニメーションとして仕上げた作品で、3本を繋ぐ為のシーンとその後のエンディングが新たに加えられているそうです。2011年公開の『くまのプーさん』から続けて本作も鑑賞しました。2011年版は本作を最大限尊重した作りだという事が分かりましたが、逆に「くまのプーさん」という作品がそもそも観客の視点とリンクするようなメタフィクション性を内包した意欲的作品だったという事にも驚かされました。プーがナレーターと会話し始めたり、しきりと「原作」や「ページ数」に関する言及が為されるのも面白いですし、更にはページを行き来したり文字の上を滑るといったギミック的演出も用意されており、最後まで退屈させないような作りが徹底されています。しかし本作は決してそこの面白さだけで成り立っている作品ではありません。むしろ前述の構造や演出をも含めたそれまでの”無邪気な時間”が全開で語られてきたからこそ、その先に待つラストの苦い味わいがより際立っています。「誰しもが、成長するに従って子供時代に留まる事は出来なくなってしまう」という事を示すこのラストは何とも切ないですが、この普遍的なテーマが作品の根幹にあるからこそ「くまのプーさん」は今も変わらず愛され続けているのだと思います。 本作のラストで提示されるテーマはディズニー全体にとってのテーマとも言えますし、作品の締めくくりとしても完璧だと思います。心に留めておきたくなるような素晴らしい作品でした。「くまのプーさん」は今年で生誕から95周年を迎えるそうで、更に原作の設定ではプーの誕生日は1921年8月21日、何と彼は今年で100歳!こりゃめでたい!今年は僕もはちみつヨーグルトを食べてお祝いしようかと思います。 本作ですっかりシリーズの虜になってしまいました。このままだと「プーさんのハニーハント」でも泣いてしまうかもしれない。