
cocoa

わたしの叔父さん
平均 3.5
原題は「Onkel」…「叔父さん」という意味のドイツ語。 原題も邦題もどちらも良し。 まさに叔父さんとの暮らしを愛でるような静かな素敵な作品でした。 デンマークの農村で暮らす27歳のクリスティーネは身体の不自由な叔父さんと2人で酪農をしながら暮らしている。 朝の早い毎日をルーティンのように生活する描写がとても良い。 電熱器で叔父さんのパンを焼き、好みの「ヌテラ」の瓶も置く。 クリスティーネはシリアルの食事だが必ず書物…(おそらく獣医学の本?)を読みながらの朝食。 手を洗っているところに叔父さんが通りかかったら自然と石鹸水の瓶を動かす。 こうした一連の暮らしぶりが台詞や音楽がない中で映されます。 50頭ほどの牛を2人で世話をする大変さ、飼料も刈り込むなどクリスティーネは大型機械も乗りこなす。 ある時、牛の往診にきたヨハネス獣医や教会で知り合った男性マイクがクリスティーネに外の世界を見せてくれるのですが。 マイクとのデートに叔父さんが付いてくるシーンはちょっと笑えた。 レストランにも映画にも同伴したのは叔父さんの存在が大切だから。 そして叔父さんに安心してほしいのかな。 獣医になりたいクリスティーネをコペンハーゲンの講義に連れ出してくれたヨハネス。 (回転寿司の初体験も微笑ましい) 結局、ヨハネスにもらった医学書などを返したクリスティーネ。 彼女がそこまで頑なになる理由は何故だろうと思ったが、両親を亡くした悲しい過去から救ってくれた叔父さんの存在の大きさを感じました。 「共依存」のように見えるかも知れないけど、それは違う。 いつものように日常を暮らす2人がとても愛おしい。 夜、食後にお菓子をつまみながらコーヒーを飲み、「スクラブルゲーム」をする静かな時間。 いつも時事ニュースが流れていたブラウン管TV。 難民関連のニュースやハンブルク、北朝鮮の様子などがわかるが2人の暮らしには何も変わらない。 外の世界はいろいろあるけど、今クリスティーネが選ぶのは叔父さんとの暮らし。 お二人が実の叔父さんと姪と知ってさらに納得。 静かで温かい、とても好みの作品でした。