レビュー
映画自体はオムニバスなので、良い意味でムラがあり、それもまた面白いのだが、それにしても解せないところがある。 というのは、明らかに甲斐バンド、というより甲斐よしひろが製作の中心的立場にあると思われるのにもかかわらず、全てにおいてかなり的外れな選曲が為されているのだ。特に、80年代のコアな甲斐バンドファンには全く許せないような選曲なのではないだろうか? 例えば、「安奈」だが、この曲は甲斐が書いた中でも、かなりストレートなラブソングかつクリスマス・ソングだと思う。父と娘・・ではないと思うのだが。 さらに、「そばかすの天使」は、どう聴いても、立ちんぼの哀歌であり、母と娘のネグレクト・・・という問題ではない。 それに、使用されなかった曲の中にも映画のテーマになりそうな曲はごまんとある。例えば、「氷のくちびる」とか、「バス通り」、「最後の夜汽車」などは、歌詞をそのまま膨らませれば20分位のショートなどすぐ出来ると思うのだが。 まあ、甲斐本人がカメオ出演しているくらいだから、選曲には文句を付けてはいないのだろうが、本人が熱烈なフランス映画ファンであるのを承知している(「男と女のいる舗道」という曲がある)我々としては、ものすごい肩すかしを食らった感じがする。
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