レビュー
星ゆたか

星ゆたか

1 year ago

3.0


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乱れる

映画 ・ 1964

平均 3.8

2024.9.24 成瀬巳喜男監督58歳の時の作品。 当時39歳の高峰秀子さんが夫の松山善三さん(1つ年下)オリジナル脚本を。 若大将シリーズで人気の26歳の加山雄三さん(義理の弟役)と共演した映画です。 物語は静岡県清水市の酒屋の未亡人·礼子(高峰)を密かに慕う青年·幸司(加山)との葛藤と苦悩を。 限られた人物·時間·空間の中で情感豊かに描きました。 その酒屋には亡くなった夫の義母(三益愛子)と。 外へ嫁いだ姉妹(草笛光子·白川由実)がいて。 酒屋をやりくりしてゆくには再婚してもらってと思っている。 近くにスーパーが出店し、近所の商店も影響があり。 中にはそれを苦に自殺した店主もあるくらいだ。 そんな中、東京の会社を辞め帰郷してまだ定職もつかずブラブラしている義弟に。 『酒屋は貴方が継ぐべきよ』と話す。 彼はこの酒屋もスーパーにした方がいいと。 長女の夫に相談したりしている。 そんな折東京から幸司の元彼女(浜美枝)が訪れる。 礼子はその事を幸司に話すと。 『自分が本当に好きなのは姉さんだ』と打ち明ける。 驚く礼子。そして彼は店を真剣に手伝い始める。 礼子は事があらぬ方向に進む前に。 義母や姉妹の前で。 『実は好きな人がいるから田舎へ帰る』と告げる。 そして慌てて帰郷の旅に出る礼子を追って。 幸司は汽車に飛び乗り追って来た。 この列車内の二人の微妙な、しかしながら熱い想いを感じさせる描写が。 恋愛映画として秀逸で涙ぐましい名場面になっている。 途中下車し温泉宿に宿泊。 礼子は幸司の気持ちは嬉しいが受け入れられないと話す。 気持ちの晴れないまま幸司は酒飲み街へ。 そして酔って崖から落ちてしまう。 加山雄三さんは62年(「椿三十郎」)と65年(「赤ひげ」)と黒澤明監督作品。 そして67年には成瀬監督の遺作「乱れ雲』にも司葉子さんと出演し、映画俳優としての箔をあげた。