レビュー
歴代でも最高ランクの大河ドラマです。田渕久美子の脚本が篤姫の生涯を女性らしい繊細さで描き切っており、鮮やかです。心を掴んで離さなず、毎度胸が苦しくなるような見事なエピソードの連続的に描かれていること、登場人物の全ての人間性がきちんと描かれていること、歴史の流れを分かりやすく詳細に描いていること、どれを取っても一級品です。 立派なセットや絢爛豪華な衣装、骨太で繊細な演出に映像の美しさ。大河ドラマのスタッフの実力は、やはり日本一です。 本作でもう一つ見逃せないのは、美しい音楽を絶妙な塩梅で配置しているところです。 そして宮崎あおいの篤姫は最上級の賞賛に値する名演技を魅せてくれました。若い頃の好奇心旺盛で正義感が強い篤姫。大奥に入り、御台所として奥女中を統括し、将軍を支える篤姫。それぞれの篤姫を見事に演じきりました。 そして将軍家定を演じた堺雅人が良いんです。うつけ者を装いながら、幕府の将来を憂い、篤姫にも陰ながら愛情を注ぐ家定には何度泣かされたことか! 高橋英樹、松坂慶子、平幹二朗、草刈正雄、北大路欣也等々、ベテラン俳優達の名人芸にも堪能させてもらいました。 ☆最終回 江戸城明け渡し後の天璋院の後半生を描いているのですが、懐かしい人々との別れのシーンが続き、涙が絶えることはありませんでした。 本作は、初回から最終回まで、絶えず魂を震わせてくれた稀有な大河ドラマです。
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