レビュー
しじらみ

しじらみ

4 years ago

3.5


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ルチオ・フルチの新デモンズ

映画 ・ 1990

平均 2.1

婆アが抱えている猫の耳がピクッピクッと動いているディテールの拘りが良い。しかもそれがちゃんと予感として機能しているのだから感心する。 屠畜場での何度も見たような殺人に、舌に釘を打ち付ける執拗さも嬉しい。 けれども何はなくともラスト10分。ルチオ・フルチ作品屈指のドラッグ描写。半透明の修道女に連れ去られる息子とそれを追う父親。カットバックの中でいつの間にか地面に両腕を括り付けられ、宙吊りのような格好になる父。連れ去られていたはずの息子がいとも容易く父親の方へ駆け寄り、トリガーとなる縄に足を引っ掛けると父親の身体が股間から真っ二つに裂ける。真っ二つに裂けるときには、もはや父親の腕を地面に括り付けているものはない。単純にカットが繋がっていないと切って捨ててしまうことは簡単だけれど、ここまで破綻していれば作り手もそんなことは百も承知のはずで、それでも形にしなければならなかったのだという凄みがこの映画にはある。