レビュー
『ゼット・インク』は末端従業員が経営陣に殴り込みに行くお話だったわけだけど、本作ももちろん同様の要素はありながらも、どちらかというと横の関係性に焦点を当ててる印象。効率化・負担軽減のための業務分担という名目で分けられただろう各部署がそれぞれにガラパゴス化し、築かれていく価値観の違いから来る国取り合戦を風刺気味に面白おかしく茶化しまくった感じのお話でめちゃ面白かったです。 それぞれの部署ごとに目標とすべき事柄があるわけで、開発、営業、経理、宣伝等々が「細分化された最善」を突き詰めるからこそ、武器を製造する軍事会社として絶対に遵守しなければいけない「全体としての最善」なり倫理観なりが希薄化していく怖さを描いているのは他作との差別化要素だし、本作の魅力になっていると思います。どちらにしても社会への警鐘という点では『ゼット・インク』とかなり近い位置付けの作品ですね。
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