レビュー
レビュー
star3.0
「才悩人応援歌(BUMP OF CHICKEN)的な苦さ」 好きなこと・得意なことが仕事に(社会の役に立つことに)繋がらないというのはほんとうに歯がゆいものです。それでも世間の大半は折り合いをつけて、与えられた環境でがんばっているわけです(たぶん) 本作の主人公リー(メリッサ・マッカーシー)の悲劇は、一度は得意なことで認められたにも関わらず、ニーズの変遷によってそれが合わなくなってしまったことが大きいと思います。ふて腐れるのもわかる... もう少し社会性は持ったほうがいいとは思いますが(笑) タイトル(現題:Can You Ever Forgive Me?)が出るタイミングも、おい、こら!と突っ込まずにはいられません(笑) 許せるか!笑 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 手紙の偽造がうまく回り出すにしたがって、どん詰まりだった人生も豊かさを取り戻していく... というのが皮肉です。道徳的・人道的に問題があったとしても、作家として、人間として最も充実した時間であることは作中でも述べられていたとおりだと思います。最終的に彼女は本業の伝記作家としても返り咲くわけですが、同時にその過程で得たように思えた「豊かな時間」は取り戻せませんでした。 同時に書き手を尊重せずに、投資感覚で手紙コレクション界隈に手を出している者がいるのも事実。ひとの思いを踏みにじったことで信頼を失ったリーが、最後にそういうやつへカウンターパンチをくらわせるのは、ちょっとだけ気持ちがいい(笑) メリッサ・マッカーシーのすっぴんも辞さない体当たり演技もよかったです。また、ジャック(リチャード・E・グラント)との、反目しながらも、性の伴わない、社会的弱者とされる者同士だからこそ惹かれ合うバディ感もよかった!悲哀と皮肉に満ちた、味わい深い作品でした。 2019年公開。日本では劇場未公開。監督は「ミニー・ゲッツの秘密」などのマリエル・ヘラー。主演はメリッサ・マッカーシー。
ネタバレがあります!!
20