レビュー
長女と次女の対比が象徴的。主人公とよく似ており、仲がよかった長女は、母の認知機能が衰えていくにつれ、無意識に母の評価を下げ、距離をとっていく。対照的に次女は最初から主人公と喧嘩ばかりだが、病状が進んでも態度を変えず、いつまでも母と対等に会話をする。これらが淡々と描写されるシーンのなかに散りばめられており、思い返すとじわじわと印象が甦ってくる。 長女は母の知性が好きだったのだろうし、次女は母の人間性が好きだったのだろうと思う。主人公と次女が仲直りをするシーンでは、認知が衰えていてもなお残る主人公の魅力を感じ、はっとするものがあった。 失われることを象徴するのが長女からみた母で、題名のように、変わらないことを象徴するのが次女から見た母であるように感じた
このレビューにはネタバレが含まれています
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