レビュー
「キャプテン・マーベル」のブリー・ラーソンがあまりにも魅力的で大ファンになってしまい、ただただ、ブリー・ラーソンを堪能したいが為に鑑賞。 そして前半。演出の甘さにちょっとガッカリしてしまう。「ユニコーンの毛に電気が走っている」なんてセリフで説明しちゃったりとか、そんなもの「ビリっ」と来た描写ひとつでいくらでも感じさせらるわけで、もったいない。 かなりの内容をセリフで説明してしまっている。 そして中盤くらいまでは、ラーソン演じるキットにまったく感情移入ができなかった。 それは、キットがそこまで思い入れるユニコーンへのある意味での執着が、僕がやはり男性で、「女の子」独自の感覚が理解できないからなのか、それとも描写が不足しているのかは判断できない。 たぶん、両方あると思う。 しかし、明らかに下手な演出は目立ちながらも、欠点ばかりではない。 視覚的な色彩感や、ラーソン自体の演技的力量の高さ。 特に「イタイ」と揶揄されがちな感受性であったり、現実の世界のありように対して、いくつになっても持ち続けている妄想と想像の間を行き来しつつ、自らのアイデンティティに根付いている「ファンタジー」に対しても、ひたすら一歩も引かない毅然とした感じというのは既に「キャプテン・マーベル」そのものだった。 何より劇中でもガムシャラに物作りを進めていくダイナミズムが、ブリー・ラーソンの表情や仕草、服装などから漲っていて魅力的に感じる。 物語の主題的な演出や、シナリオそのものの不備は本当に目立つのだけれど。どこを取っても全編、ブリー・ラーソンで埋め尽くされた金太郎飴のような才気だけで充分楽しめた。 さりげなく優しい映画であることと、粗っぽさも含めて、魅力的な一本。
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