レビュー
【滝泣きに至る奇跡の曲】 カラフルで美しい死者の国、実際のメキシコの文化から掘り下げられるこの映画の世界観が圧巻。世代と生死の境を越え、音楽で心が通うラストはもはや涙の量が滝泣きレベル。 ◆ 冒頭のダンテが初登場するあたりのシーンで、隠れキャラとしてウッディやニモが登場する笑。 第90回アカデミー賞長編アニメーション賞、主題歌賞受賞作品。監督はアカデミー賞受賞作『トイ・ストーリー3』のリー・アンクリッチ。「リメンバー・ミー」の作詞・作曲は「レット・イット・ゴー ありのままで」のクリステン・アンダーソン=ロペス&ロバート・ロペス。 ◆ ある日、ギターの天才少年ミゲルは古い家族写真をきっかけに、先祖たちが暮らす“死者の国”に迷い込む。そこは、夢のように美しいテーマパークのような世界。しかし、日の出までに元の世界に帰らないと、ミゲルの体は消え、永遠に家族と会えなくなってしまう…。 ◆ 文句なし。こんな映画が見たかった!何よりも素晴らしいのは、この映画の概念。死者は全て“死者の国”に幸せに暮らしていて、現世の人間から完全に忘れ去られない限り本当の死は迎えない。家族の大切さはもちろん、先祖の代まで敬う事の尊さを穏やかに表現していると思う。メキシコに実際にある“死者の日”という文化に着眼して、その世界観を最大限広げたこの物語の視点が面白い。死者がその日だけ現世と交錯するというこの映画の表現も、死者の国がとてもカラフルで美しかったことも、アニメながらとても尊い描写だと思った。 ◆以下少しネタバレあり◆ 後半には完全に涙腺崩壊するシーンも。世代を超えて、生と死の境を越えて、曲を通じて心が通い合ったミゲルとココお婆ちゃんにはもう涙の滝行でした。自分の環境も重なり、意識の遠いお婆ちゃんが目覚めていく様子はもう…ダメでしたね。 何気に、死者の国でメイクをしたミゲルの、ふっくらしたガイコツ顔がめちゃくちゃ可愛いと思ったのは自分だけだろうか笑。大好きなデラクルスの映像を眺める表情、歌う時の表情、今までのピクサーもののどれよりも、登場人物、ことミゲルの表情が豊かだったと思う。 余談だけど、“魂を導く者”ダンテは、メキシコ原産のメキシカン・ヘアレスドッグ(ショロ犬)で、そんなショロ犬はメキシコで「家を邪悪な魂から守り、亡くなった人をあの世に導く」とされ、とても頭のよい犬種類としても知られているらしい。あの羽の生えた虎のような、最強にも見えた魂のガイドさんも、現世ではかわいい猫の姿でしたね笑。ラストでミゲル達を連れ帰る様が、猫バスにも見えたのは自分だけじゃないはず笑 心温まるって言葉がホントにしっくりくる、とてもいい映画でした!
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