レビュー
割と面白かった。 西遊記の前日譚であるが、映画的には完全にCGを使ったコメディである。 おそらく、中国人でないと理解できない笑いの部分もあるのであろうと想像されるが、我々日本人としても十分笑える映画となっていると思う。 剃髪前の玄奘が妖怪ハンターであったという設定で始まり、三蔵法師となって旅立つまでを描いているが、メインのストーリーは、草食系男子と肉食系女子とのラブコメの呈である。 また、沙悟浄、猪八戒、孫悟空の順で退治され、家来となるのだが、それらのエピソードについては日本人が抱くような「興味深さ」とは無縁で、単に面白がって極端にデフォルメしており、そんなところも大陸的な感じがする。 私的には、文字通り「うば桜」を従えた空虚王子、止まらない血吹雪、洞窟の悟空のえげつなさに大いに笑わせてもらったし、スー・チーの子分を演じたエロカワ系のクリッシー・チャウのアイドル性には、大いに驚いてしまった次第。 それにしても、改めて思ったのは、我が日本人が夢想した、かつてのTVドラマにおける、夏目雅子の三蔵法師、堺正章の孫悟空、西田敏行の猪八戒、岸部シローの沙悟浄というキャスティングの妙である。これらを刷り込まれている世代にとっては、本作はしたたか「下品」と評されるのかも知れない。
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