レビュー
尖りまくりの少年が義理人情の世界に心の居場所を見つけ任侠の世界に足を踏み入れることから始まる20年間のお話を大きく3つの時代に分けて描いた作品。 傑作。 そもそもこの時代にヤクザモノを作ってやろうという時点で中々すごい。 と思って大して期待もせず鑑賞すると、いやいやこの時代だからこそ!という作品に仕上がっていた。 時代に翻弄される不器用な男の生き様が終始胸を打つ。 それも決してヤクザを美化するようなこともなくあくまで一人の人間として上手く描いていた。 ストーリー自体は任侠モノにありがちな登場人物や組が多すぎて抗争関係などが理解しにくいということもなく、至ってシンプル。 故に、一歩間違えれば記憶に残り難い薄い作品に成りかねないところ、本作は非常に重厚な物語になっていた。 それは、一人の男の人生を中心にしながらも様々な家族の形を鮮烈に描いたことが功を奏したのかもしれない。 しかし、それ以上になんといっても俳優陣の鬼気迫る演技あってこそではないだろうか。 主演の綾野剛は3つの時代の主人公を完璧に演じ分けていた。 オヤジ役の舘ひろしやヒロイン役の尾野真千子は言うに及ばず、市原隼人ら脇役の演技がこれまた逸品モノ。 こうした要素が完璧に絡み合ってできあがった本作は傑作と言って差し支えないように思う。 てか心震えたもんね。まじで。たまらんよ。
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