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レビュー
cocoa
3 years ago
母との約束、250通の手紙
映画 · 2017
2.5
フランスの有名作家ロマン・ガリの自伝小説を映画化。 原題の「La promessa dell'alba 」はガリの小説「夜明けの約束」のタイトルから。 ジャケ写真や邦題から愛情溢れる作品と予想したらまったく違った。 ポーランド系のユダヤ人の母親ニーナ(シャルロット・ゲンズブール)は一人息子のロマンに多大な期待をしていた。 作家になれ! 軍人になれ! 大使になれ! 成功して勲章をもらえ! そんな言葉でロマンを育てる母ニーナ。 エキセントリックで常識外れな言動で躍起になるその姿はとても強烈だった。 パリの法学部に入り、ニースを旅立つロマンを送るニーナの行動も、そして空軍に入り施設まで訪れるニーナの姿も周りから見たら滑稽である。 そこまで子ども命に生きるのはニーナ自身がユダヤ人として差別されたからなのか、それとも母子だけの強い絆からなのか。 あの時代にシングルで生きていく覚悟は相当強かったのだろう。 それにしてもブッ飛んだ精神状態に思えるし「毒親」とも言える。 フランス軍からイギリスに渡り「自由フランス軍」に入ったロマンもだんだん常軌を逸する行動に出る。 軍のパイロットの仕事をやりながら小説を書き続けるロマン。 それをもっと煽る母親からの手紙。 リビアでチフスに罹ったロマンがイギリスに戻り軍に復帰する。 これまで250通の母からの手紙が届いていたが真相は予想通りでした。 母との約束を果たせたロマンだけれど母はその事を知らない。 その事実は気の毒だと思うけれど、やっぱり親からの期待が大き過ぎると子どもには悪い影響が出ると思う。 文学界でも立派な功績を遺したガリが結局 拳銃自殺するのはそんな影響なのでは。 個人的には苦手なピエール・ニネが大人になったロマンを演じています。 そして母親ニーナ役はシャルロット・ゲンズブール。 狂気じみた母親の愛情にはまったく共感はできなかったし、母子の異常なほどの愛ゆえに「愛の泉はとうに飲み干され空っぽ」なのでしょう。
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