レビュー
【少女と殺し屋の絶妙過ぎる愛の形】 時にコミカルに、時にシリアスに、身の上が全く違う2人の心の距離がゆっくり近づいて行く様が絶妙。後半まるで違う映画を見るような怒涛の愛のガンアクションにも注目。 ◆ リュック・ベッソンのハリウッド初監督作品。出演はこの映画でブレイクしたナタリー・ポートマン、ジャン・レノ、『ウィンストン・チャーチル』でアカデミー俳優となったゲイリー・オールドマンなど。 ◆ 映画を通して、身の上が違いすぎる2人の心の距離がゆっくり近づいて行く。大人びて積極的なマチルダ(ナタリー・ポートマン)にレオン(ジャン・レノ)が戸惑いながらも次第に心を寄せ、力強く守って行く様は、男から見てもめちゃくちゃカッコいい。 そして後半、まるで違う映画を見ているかのような怒涛のガンアクション。それも、2人の世代を超えた愛の形が迎える結末であり、他のガンアクションものの映画にない、力強さと儚さがあったと思う。マチルダを助けるためのレオンの血まみれの愛のガンアクションは、気持ちが思いっきり乗って見入ってしまう感覚だった。 また、何度もミルクを吹く、前半のコミカルな描写はコントかと思えるほど笑。レオン自身も読み書きが苦手だったり、殺し屋をシリアスに見せない、映画を見やすくする雰囲気の良さ、絶妙さが全体に散りばめられていたと思う。 その絶妙さは、個人的にはレオンがマチルダと一線を越える描写がなかった事にもあると思う。フランス映画では性のタブーを軽々しく越えるものがいくらでもあるのだけど、絶妙なラインで直接的な描写を避けたのは、アメリカ合作だった事も起因するのではと勝手に勘ぐってしまった。 鉢植えの植物を、殺し屋ながら心優しいレオンの象徴的アイコンとして描いていて、それを愛でながら「いつか自分も根を生やしたい」と語るレオンに、ラストでマチルダがその植物と取ったレスポンスは、映画としてとても豊かな表現だったと思う。 監督や製作側の映画愛なのか、レオンが嬉々とした表情で映画を見る様子や、マチルダが往年の名優たちを真似るシーンもなんとも微笑ましかった。 今更の初鑑賞でもあったので、「Shape of my heart」がエンドロールでかかった時に、この映画の曲だったのか!と飛び跳ねました笑 この映画も、見終わってなんだか心にじんわりくる、いい映画信号がともりました!
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