レビュー
子供と見るには殺害暴力シーンが多いのでお勧めできないが、良質なダークファンタジー。グリム童話の気持ち悪さを子供の頃から感じていたので、この『グリム』の方が自分には腑に落ちる。昨今の不可解な凶悪事件もヴェッセンの仕業であるとすると妙に納得が行く。この設定は新しいのではないだろうか。 良いところは、種の違いを超えた理解と信頼。凶悪な殺人事件の割に登場人物がほのぼのとしている。 疑似家族的なチームワークの良さとほのぼの感が大好きでずっと見て来たがシーズン4で限界だ。 その原因はアデリンド。彼女が日本で言う峰不二子の的に自分の幸せの為に簡単に寝返る女。自分の幸せの為に他の者を平気で無意識に傷付けるが故意ではない。自然とだ。「そんな事になると思ってもみなかった」と何度言うことか!アダリンドが幸せになる為に何人が不幸になることか!彼女が出てくると飛ばして見ていたが、シーズン4中盤から出番が増え過ぎてとうとうヒロインに。こういう酷い女は実際にいるからこそ腹立たしいし、アメリカのドラマに裏切りと寝返りは付き物と割り切って見ていたが、それでも酷すぎる。もっと腹立たしいのはこういうビッチ程世間受けがいいのだ。実際にアダリンドファンは世界に多い。 シーズン4までは種族の違うもの同士が助け合う和気藹々とした感じが楽しかった。でもシーズン4以降は視聴者を失ったのだろう。シーズン6半ばで打ち切りになった。その大きな原因は、今まで6年以上も献身的にニックを支えて来たジュリエットの顛末ではないだろうか。ジュリエットは妻ではなく恋人だが、ニックは糟糠の妻を捨てたと言える。彼女が変わってしまった原因はニックだ。ニックのジュリエットを支えない姿勢に心底嫌気がさす。ジュリエットがどんなに耐え忍んで来たのかニックは分からな過ぎだ。せめてジュリエットがアダリンドを殺してくれればスッキリしたのにとすら思う。ここまで見るのに時間を費やして来た自分も腹立たしい。ドロップアウトした。 以下ネタバレ含みます。 苦労知らずに生きて来た人には他人事で楽しく見れるのだろうが、実際にジュリエットの立場にいた事がある自分からするとジュリエットの辛さが分かるだけに辛い。ニックはどんな状況に陥ってもジュリエットの側にいるべきだった。モンローが闇裁判で処刑されそうになった時に自分の気持ちを曲げなかったように。ずっとアダリンドに狙われて攻撃を受けて来たジュリエット。アダリンドがニックの子を孕み、ニックがアダリンドのそばに残った時どんなに辛かったろう。子供ができた方が勝ちなんて愛されるなんて酷いストーリーだ。子供ができた女が勝ちなのか?でもそれが真実だろう。そりゃ女は悪魔にもなる筈だ。好きなドラマだっただけにショックだ。 己の幸福を声高に追求するトラブルメーカー女程、人気も愛情も欲しいもの全てを得る事ができ、 献身、辛抱、忍耐、人を理解しようと努力する女は苦労しかない。 そう思い知らされたドラマだ。 アダリンドの凄いところは、ニックに愛情が無くても「隣で寝て。怖いから守って」と言えるところだろう。本当は誰よりも強いのに、1人では生きていけないと表現できるところだ。それに対しジュリエットは全ての感情を封じ全てを捨ててまでニックを守る事を選ぶ。1人で生きていける様に見える女なのだ。 女性よ、周囲の不幸を顧みず己の幸福を追求せよ!他人の不幸に鈍感になれ!
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