レビュー
作家の主人公は、妊娠を機にそのキャリアを投げ打たざるを得なくなる。それゆえに生まれてきた息子との間にはどこか溝のようなものができてしまう。 母親を追い詰めていく息子の物語だという意見が多いですが、やはり自分は、息子が母の愛を求めようとした物語だと思います。 序盤時系列がバラバラで、どうなってるんだ❓と思いましたが、物語が徐々に進むにつれて理解出来るようになっていくと、どんどん引き込まれていきます。 息子は、自分が母に望まれて生まれてきたわけではないと幼い頃からわかっていて、それ故甘えたりせず、違う意味で母の気を引くことで愛を求めたかったんだと思う。 子育てに真剣に向き合う事を避けてきた母親は、もっと家族で話し合っていれば、もっと息子のことを純粋に愛していればと思い馳せる。 だが実際はそんな異質な息子を恐れていたが、息子はただ純粋に母親だけを愛していた… どことなく他とは違う雰囲気を持つティルダ・スウィントンが凄く魅力的です。万人受けはしない作品ですが、観終わった後には深い満足と余韻に浸れる強烈な作品でした。
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