レビュー
2020年28本目は、ストリッパーたちがウォール・ストリートの富裕層に逆襲!『ハスラーズ』。 ------------------------------------------------------------ 本作がジェニファー・ロペスのベストアクトであることは間違いなく、コンスタンス・ウー演じる新人ストリッパーの前に彼女が登場した瞬間、その華々しさに一気に目が惹きつけられます。ポールに絡まる美脚、プリっプリのお尻などスタイル抜群のJ.LOはとても50歳とは思えない出で立ちで、今もなお多くの女性にとって憧れである理由が良く分かります。 ------------------------------------------------------------ 作品のテーマとしても『パラサイト』や『ナイブズ・アウト』など、今年話題の映画と共通するところがあり一見に値します。貧困層が富裕層に一泡吹かせる映画が次々とヒットしている実情を見ると、格差社会や一般市民の間に蓄積するフラストレーションが、どれほど深刻かが分かる気がします。ただ、日本人の真面目な国民性を踏まえると、本作は「犯罪自慢」や「因果応報」のドラマにしか映らないかもしれません。 ------------------------------------------------------------ 確かに彼女たちの金遣いの荒さや引き際の悪さを見ると、自業自得で何の同情心もわきませんし、子どもがいるのに犯罪に手を染めるのは無責任だと感じます。しかし、教育も受けられない・金銭の猶予もない環境に生まれた人間がはい上がることは現代では不可能に近く、気持ちが分からないでもありません。むしろ本作は事実に比べると友情や家族愛を中心にウェットかつドラマティックな作りになっています。 ------------------------------------------------------------ 実際に犯罪を犯したサマンサとロゼリンは「罪の意識はこれっぽっちもない」と語ってますし、劇中のような友情はなく、完全にビジネスライクな関係であったそうですから。
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