レビュー
身近なSNSが、大発展する世界観。そしてそれが“あり得なくもない”と思わせる絶妙なストーリー展開で、想像力をかき立てられる。とても“今風”なエンターテイメント映画だと思う。 出演は『ハリー・ポッター』シリーズ、『美女と野獣』のエマ・ワトソン(実際の彼女のツイッターは2400万人フォロワーがいるらしい)、2度のアカデミー賞に輝くトム・ハンクス。監督・脚本は『人生はローリングストーン』のジェームズ・ポンソルト。デイヴ・エガーズの原作の見事さに、監督自ら連絡をして映画化権を獲得したらしい。 今や、写真の投稿だけでなく、動画の投稿や、リアルタイムでの個人配信、そしてそれを通じたコミュニケーションも珍しくなくなってきた中、この映画が表現する、SNSの大発展型はどこか親近感やワクワク感がある。 個人的にこの映画の肝だったのは、個人の24時間完全配信に踏み切るメイ(エマ・ワトソン)の心理に共感できるか。だったけど、両親のケアや、自分に起きた事故など、その心理が変化していく様がとても丁寧に描かれていたと思う。 倫理観を超えた情報発信は、悪でしかない。そんなこの映画が発信するメッセージもしっかり伝わってきた。 ただし、開発者のタイ(ジョン・ボイエガ)との出会い方や、エンドでのメイが下した結論など、少し腑に落ちないシーンも多々あったので、原作からのハショリミスもあったのでは。もっともっとベイリー(トム・ハンクス)が悪者でないと、エンドで迎える説得力やスカッと感にイマイチ繋げられていない。
いいね 15コメント 0


    • 出典
    • サービス利用規約
    • プライバシーポリシー
    • 会社案内
    • © 2024 by WATCHA, Inc. All rights reserved.