レビュー
星ゆたか

星ゆたか

4 years ago

2.5


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ブリット=マリーの幸せなひとりだち

映画 ・ 2019

平均 3.3

2022.3 物語のヒロインは、長年家庭生活の維持(買い物・料理・掃除・整頓・洗濯)を、自己表現の形として生きてきた。やや完璧すぎて、夫は窮屈に感じ、外に息抜き(浮気)を求めたか?  とりあえず彼女は、その現実に向きあい、“自立”の道を、トランク一つ持ち進む。中々年齢的な条件で仕事がなく、まったく関心のなかったサッカーのコーチ・世話役の仕事にありつく。そこでの色んな人達とのふれあいを通じて、人間的な表情を取り戻してゆく。 商法の世界に、“人間の動機”に関する有名な学説の1つとして、「マズローの法則」がある。人間の欲求は緊急度の低い(けれど広い)ものから高い(つまり狭い)ものへと、ピラミッドのように5段階、積み重なっているという。 下から〔生理的〕〔安全〕〔愛情と帰属〕〔承認・尊重〕〔自己実現〕となる。 〔生理的〕は、最も基本的・本能的な欲求で、〔安全〕は、自分や家族の生命・財産のそれだ。 ヒロインに満たされなかったのは、3番目と4番目あたりだろうか? 〔愛情と帰属〕夫や誰かを愛し愛されたいなぁ、社会に自分の居場所を持ちたいなぁ。 〔承認・尊重〕社会の集団の中で認められたい、その集団を尊重し、またその仲間から尊敬されたいなぁ。 『幸せなひとりだち』のヒロインは、最後に自分の夢だったフランスのパリに行き、5番目の〔自己実現〕の欲求をさらに満たし、自分の能力を最大限に発揮したい、可能性を実現したい、自分がなりたい人間になりたいなぁ、となるのであろうか? ちなみに、晩年のマズローは、5段階の上にさらに、〔自己超越〕の段階があると提唱したそうです。 さらに話がまったくそれて申し訳ないのですが。 この“自己超越”で、ふと思いだしたこと。2022年の北京冬季オリンピックの、フィギュアスケートの羽生結弦選手なんて、この領域かもしれないなぁ。