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ハロウィン
平均 3.3
2021年10月31日に見ました。
ジョン・カーペンターが監督・共同脚本を務めた、1978年公開のスラッシャー・ホラー。 現在に至るまで全12作もの続編・リメイク作が制作されている「ハロウィン」シリーズの記念すべき第1作目となる本作は、”史上最も稼いだインディペンデント映画”の一つとしても有名とのこと。「ホラー映画不滅の金字塔」「世界三大ホラー映画の一つ」「元祖スラッシャー映画」などなど各所で大層な称され方をしている本作ですが、実際に観てみると大いに納得!観ている間中ずっと「このシーンはあの映画!」と当てはまるタイトルが次々連想されてしまう程、ありとあらゆるホラー映画の鉄則が全て凝縮されたまさに原点たる一作でした。ここで痛く感心させられたのは、私自身既に以降のホラー映画を沢山観ているにも関わらず”今観てもちゃんと新鮮に怖がらせられる”という点です。それはひとえに描写の残虐性やインパクトに頼らないカーペンターの「巧妙にして多彩な演出」の賜物だと思います。冒頭の長回し主観ショット、舞台となる住宅街の効果的な活かし方、視点の転換による語り口の緩急などなど挙げ始めると切りがありませんし、こうした演出の妙からも自分はつくづく彼の映画に対する真っ当な姿勢と誠実な作り込みを感じます。 また本作を語る上で絶対に外せないのは何と言ってもあのテーマ曲!監督、脚本のみならず”音楽も自分で手掛けられる”というのはカーペンター最大の強みでしょうし、本作では「音楽家としてのジョン・カーペンター」の凄さも存分に堪能出来ます。変拍子による高音フレーズのリフレインからしていかにも70年代ホラー映画らしいスコアですし、私自身観終わってからも3日くらい耳から離れませんでした。また驚くべきことにカーペンターはこれまで『ダーク・スター』『要塞警察』『ハロウィン』とそれぞれ全く違うジャンルを手掛けています。彼が多方面で傑作・名作を残してきたのは、本作でも明らかな通り各ジャンルに対する最大限のリスペクトとそこに全力で向き合う姿勢が常にあるからこそだと思います。ただ一方で本作を純粋にホラー映画として観た場合、私自身は前述した通り今観てもしっかり怖い作品だと思いますが、かと言って同時代の『悪魔のいけにえ』や『エクソシスト』級に怖いかと言われればそこは私も頷き兼ねます。あくまで”ジャンル映画枠”としてスイッチを切り替えておかなければ単に「怖くない映画」といった感想を抱いてしまう、これは確かに事実です。ともあれ本作が後世に残した影響は今に至るまで数知れませんし、それらのルーツを探るという見方であっても十分に楽しめる一作です。ハロウィンのお供に是非。 ジェイソンにしろブギーマンにしろ、デカくてゴツい体格が”話の通じない奴”感を必要以上に醸し出していて余計に怖い。