レビュー
あっちゃん

あっちゃん

3 years ago

4.5


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ある男

映画 ・ 2022

平均 3.5

『日蝕』で芥川賞を受賞した平野啓一郎の累計28万部を超え読売文学賞を受賞した同名ベストセラー小説を、『愚行録』などの石川慶監督が映画化したヒューマンミステリー。 弁護士の城戸(妻夫木聡)は、かつての依頼者・里枝(安藤サクラ)から亡き夫・大祐(窪田正孝)の身元調査を依頼される。前夫と離婚した彼女は子供を連れ故郷に戻り大祐と再婚して幸せに暮していたが、大祐が事故で急死。大祐の兄が一周忌に姿を現し遺影を見て大祐ではないと告げ、夫が全くの別人だったことが判明する。 よく練られていて見事な作品。原作よりも心に響いたかもしれない。本作は、不幸な人生を歩んできた男女がたどり着く究極の愛を描く。愛には、出逢う迄の過去は必要ないのだ。 それにしても、本作の冒頭とラストに出てくるルネ・マグリットの『複製禁止』という絵画の謎。姿見を見ている男に対して、鏡の中の彼も、背中を向けて同じ鏡の奥を見ている。この絵画は何を表現しているのか、未だ答えが出ない。