レビュー
おさ

おさ

4 years ago

5.0


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tick, tick... BOOM! : チック、チック…ブーン!

映画 ・ 2021

平均 3.7

視聴の動機は先日のスパイダーマンの名残、というか とはいえアンドリューガーフィールドは3人の中でも好きではないスパイディなんだけど笑 映画は見たいけど、特にこれが見たいっていうのがない時って、どうしてもTOPページに出ているサムネで知ってる俳優(馴染み深い、というニュアンスの方が合ってるかな)の作品になるじゃないですか。ならないですか。私はなります。 ということで最近ネトフリひらけば絶対目が合うアンドリューの映画を見たわけです。 まず第一に「アンドリュー歌うめぇな」という印象。そこから「なんかめっちゃいい歌じゃん。この人って誰なわけ?」(実在する人物の話っていう情報しか認識してなかった)。 最終的に「あーー、RENT。」 RENTのミュージカルの存在は知っていたけど、seasons of loveめっちゃいい歌だなぁとしか思ってなかった。ミュージカル知識はglee全話見る程度なんで曲は知ってるけど作品はみとらん、というのが多い。 特にRENTって「あれは悲しい物語なんだよ」って誰かに言われてから、なんか見ない方がいいのかなって気がして(なんでそう思ったのかもよくわからないけど)敬遠していた。 なので当然、というのか、チックチックブーンがRENTの作者だと知らずに見たわけだった。 87年生まれだし、まして日本人だし田舎者だし、というところで当時のニューヨークの状況なんて知るよしもなんだけど、世の中の雰囲気的なところは「ボエミアンラプソディ」からの認識があって、なんとなくわかることができた。とはいえ当時のニューヨークの若者の気持ちが全てわかることなんて等にないんだろう。 仲間が次々といなくなったり、不安に駆られて薬に手を出したり、お金ないから家賃が払えない、刹那を生きている中で自分の作るものが認められない葛藤。 その感情の全てを理解できないけど、想像して苦しくなった。 けして当時の感覚とは違うとは言えなんとなく今の「コロナ禍」っていうのはちょっとだけ近いものがあるような気もした。 3年前までの当たり前はここにはないし、もしかしたら明日は今日みたいに過ごせないかもしれない、そんな気分は間違いなくある。今できることに賭ける気持ちと今はもう何もできないかもしれないっていう後ろ向きになりそうな感覚もある。 私はもう、35になる年だし、夢より生活に現実に事実に合理的に生きることが優先されるべきだと考えてしまうけど、明日何もできなくなるかもしれない中でやれることやってるのかっていうのは、あるよね。 この映画に共感しました、なんて陳腐な言葉で終わらせてはいけないくらい、もっと大変な気持ちと戦ったんだろうなと思う。今の私が抱えているものなんか比べものにならない生活の中で必死にいいものを作ろうとした人がいたこと、そしてその人はもうしなくなってしまっただんだ、ということにただただ思いを馳せることしかできない。 それが感想だ。 そしてジョナサン・ラーソンの生き方について感銘をうけつつ、単純に(シンプルに)曲がとてもいいのだ。メロディライン。サビの終わりに一癖かましてきたり、コーラスの入り方重ね方、それが胸の奥をぐっと捉えにくるのだ。 物語の切なさとメロディの精巧さに頭の中が言葉で表現できないくらいの容量でパンパンになってしまう。あぁ。RENTは。RENTを見よう。 そう思って私は翌日にRENTを見た。