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レビュー
cocoa
4 years ago
ぼくたちのチーム
映画 · 2016
3.5
原題は「Handsome Devil」、隠れた名作の予感がするアイルランド映画です。 親の再婚の都合で寄宿制高校に入れられる主人公のネッド(フィオン・オシェイ)。 高校はラグビー命の男子校で、気弱な文系のネッドは「ゲイだ」と虐められる。 そんなある日、転校してきたのがラグビーの超うまいコナー(ニコラス・ガリツィン)だった。 そんな同室になった2人をめぐるマイノリティーのお話。 スポーツ強豪の男子校と言ったら、筋肉史上主義で男らしく!を常に求められる。 そんな居心地の悪い高校で何とか生きていくしかないネッド。 コナーが同室になり、最初は「ベルリンの壁」のように仕切っていた部屋だったが音楽の話題で意気投合する。 それにしても「ゲイなの?」と聞くコナーに「襲わないから大丈夫」と答えるネッド。 しかし、実はコナーが…そんなお話になります。 国語のシェリー先生(アンドリュー・スコット)の存在は良かった。 作文をパクリで済ますネッドに対して… 「自分を偽ったら誰が自分になる!」これは名言ですね。 でもシェリー先生にも偽る秘密があるのも現実。 そしてネッドとコナーの仲にまた亀裂が入ります。 ラグビー史上主義の筋肉バカのコーチにも行動を制限されるコナー。 自分の秘密がバレるのを恐れるコナーはネッドとの演奏を披露する舞台もドタキャン。 一人歌うネッドは大恥をかく。 そこでネッドがやってしまうのは本人の了解もなくマイノリティーを大衆にバラす行為でした。 でもそこからがこの映画の良いところ。 謝りたいネッドはコナーを必死に探し回る。 コナーはシェリー先生に「いつか嘘をつかなくても良い日がきっと来る」と言われる。 決勝の試合、後半に間に合ったコナー。 「ぼくたちのチーム」と感じて必死に応援するネッド。 そして「男性の恋人」を連れて応援に来るシェリー先生。 紹介された校長はマイノリティーに理解を示すような表情。 それぞれがやっと居場所を実感し、自分らしく生きる意味を強く考えた結末でした。 そして自分の過ちを正直に省みて、一歩前に進める今を作文にして披露するネッドで終わるのも良かった。 もう決して自分を偽らないし、コナーともずっと「ぼくたちのチーム」でいられる幸せ。 そんな青春ムービーはとても良い。
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