レビュー
どうしても『バトル・ロワイアル』と比べてしまう。 あの作品より内容はリアルなのかもしれない。『バトル・ロワイアル』では、なんの変哲もないクラスの生徒たちが殺し合いの果てに強い兵士を作るという無理のある設定だったが、こちらは舞台がすでにSFだ。それも地区の反乱抑止だったり、貴族たちの賭けのゲームだったり、色々と殺し合いをする細かい言い訳の設定がある。殺し合いをさせて反乱抑止になるのかはよくわからないけど。 その設定の話が長い。バトルロイアルに至るまでに1時間くらい尺を使っていて、肝心のサバイバルのシーンがおざなり。主役のカットニスの話のするのは大事だが、他のキャラクターの話しが少なすぎる。それぞれ抱えたものがあるはずなのに、その背景がまるで見えてこない。その点『バトル・ロワイアル』では様々な生徒のストーリーが描かれていたので、殺し合いが生々しく、痛々しかった。しかし、この作品はほぼ主人公の視点だけだ。ジェニファー・ローレンスつええ! だけでは『ランボー』と変わらない。 最後に残された敵もなにやら強い設定だったが、正直誰だったかよくわからない。何やら意味深なセリフを言っていたが、続編の布石でしかない。カットニスも何やら企んでいるようだが、それもあまり好ましくない。続編ありきの作品ほどつまらない作品はない。一作品の完成度を上げた上で、なんとなくの布石を打つのはいいが、肝心の今作がおざなりだと続きを見る気にもならない。 次回作が気にならない訳ではない。果たして、次に期待していいものか。
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