レビュー
「光が無くても辿りつける。」 河瀬直美監督が「あん」に続いて永瀬正敏を主役に起用した、視覚障碍者とその視覚障碍者の為の映画の音声ガイドを仕事している女性とのストーリー。率直に言うと、前半は面白かったが後半はどうにも情緒的になり過ぎてイマイチだった。 まず映画の音声ガイドの仕事の内容が知れて面白い。音声ガイドって何気なく思ってたけど、こんな風に視覚障碍者の意見を聞きディスカッションして何回も直しながら完成させるんですな。その苦労さも垣間見れて良かった。全盲オバサンの意見がだいぶキツクてリアル。叩かれるの承知で言うけど、そこまで言わなくてもいいだろと思った。それこそ視覚障碍者の人達だってイメージは千差万別なんだからかなり押し付けがましい意見をガンガン言うなこの人と思いながら見てた。逆に関西弁の人はなんか親しみやすい喋りもあってか良かったわ。 後半、最初は意見が合わずぶつかりながらも段々と惹かれていく中森と美佐子に重きを置くんだが、ここがどうも前半のテンポの良さから情緒な演出をたっぷり使いながらも話運びがスローに感じた。美佐子の両親の話も、劇中映画と重なり合わせる感覚で必要だったのかも知れないが、いっそその話は無しにして、2人のやり取りをもっと多く描写した方が良かったかも。 視覚が失われていく主人公、中森を演じる永瀬正敏の演技が鬼気迫るモノがあって凄かった。ヒロインの美佐子を演じる水崎綾女も変態仮面のエロさがあったからなんか普通の役演じててもどことなくエロさが滲み出てる。あと、樹木希林はどこで出てくるのかと思ったら、そこかいって突っ込んだ。 結論としてはんー、ちょっと惜しかったかな。ラストの台詞もどことなく予想できたし。
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