
てる

日本のいちばん長い日
平均 3.8
面白かった。 天皇が国民に敗戦を伝えるラジオ放送の前日の話なのだが、こんなにもドラマチックでこんなにも熱い男たちの話があったなんて。 敗戦を受け入れられず、一部の者がクーデターを起こす。その気持ちが痛いほど伝わってくる。今まで戦ってきた意味、死んでいった者たちへの弔い、そういった想いがあるからこそ、敗戦をすんなり受け入れることは出来ない。 たぶん平和ボケしている我々なら、もう苦しまないで済むと、むしろ心穏やかになるかもしれないが、当時の兵隊たちはそうもいかないだろう。 一本気というか、純粋というか、お国のために命を懸けて戦ということを洗脳されてきたわけだし、そうでなくとも引くに引けないというとこまで来てしまっていたのだろう。 そう思うと、あそこで国民を想い、敗戦を受け入れた天皇、首相を始めの閣僚たちの判断は英断と言いたい。 この作品は反戦映画としても優れているけど、何よりも映画というエンターテイメントとして完成している。カメラワークも古臭くさくないし、ワンカットワンカット目が離せない。たぶん、現代で謂えば、『シン・ゴジラ』並みのビッグキャストでとんでもなく予算をかけた超大作だったのだう。キャストとスタッフの本気が窺える。 当時の役者は当然戦争を体験している人達だし、その演技に対する熱量は凄かったのではないだろうか。やはり、現代の役者よりも辛い時代を生きている人達だけあって、当時の生のお芝居がそこにはある。 今の役者を否定したいわけじゃないが、戦争に近い時代を生きた人でないと出せない味がある。それは育った環境が違うわけで当然そうだと思う。教育も違うし、食べている物も生活水準だって違うのだ。やはり、平和な時代で育った我々が綺麗な映像で戦争映画を撮っても真に迫ることはないだろう。辛い時代に生きた役者が演じ、白黒のざらざらな画で観るからこそこの作品は映える。これは唯一無二だろう。 この映画は毎年夏に放送するべきだ。