レビュー
なさぎ

なさぎ

4 years ago

4.0


content

シドニアの騎士 あいつむぐほし

映画 ・ 2021

平均 3.9

なんだこれは! 色々と無理やり感はあったはずなのに、なんか全部これで良かったような気がしてくる、そんな勢いと謎の説得力のある結末だった。SFとしてはとにかく、ラブコメとしての側面も持っていた本作らしいエンド。……しかし、タイトルからこの展開はある程度予想できたはずだった(愛・つむぎ・星白)。悔しい。 奥の手の奥の手、最後の最後で「先祖から受け継いだ弾丸」とかいう超弩級のロマン砲を持ってくる超王道展開よ。主芯軸重質量砲。声に出して読みたい。 瀕死の落合と谷風の正対するシーン、あそこはセカイ系の文脈を引っ張る作品としてはとても重要になるはずなのだけれど、あえてというかあそこの葛藤をほとんどバッサリ切り捨てた感じ。でも、それがとても良かったと思う。落合の命乞いはまさに「エアプボンドルド」みたいな感じの三下感が出ていて、まあ彼にも色々と同情する所はあるんだけど、でも「種の存続」とか「完全な生命」とかのお題目も、結局のところ最後は自分本位な我儘でしかない……っていうのがアンサーなのかな。星白の名前を出したところで化けの皮が剥がれて、瞬間トリガーへの迷いが消える感じ。シドニアの全てを愛している谷風は、自意識に捉われたりはしないんだろう。それを「強さ」と取るか「鈍感さ」と取るのかは分からないけれど。