レビュー
原爆が落とされるときに政府のマニュアルに従った夫婦の話です。 初めて観たのは中学校の体育館でした。 この映画を観て「有り得ない!つまらない!」と言ったグループと「こりゃ凄い物を観て(観せられて)しまった…」と言うグループがいました。 後者の意見だった私は覚悟を持って、今回2度目の鑑賞に挑みました。 結果は……予想通りの「鬱映画」でした… 個人的には「ファニーゲーム」や「セブン」や「ミスト」よりも遥かに鬱映画です。 最初まさかの実写から始まり恐怖の演出を見せ、そのあとのどかなのんびりとした描写を見せるなど演出も素晴らしいです。 このファンタジーと思えるようなのんびりさや天然具合が、より一層恐怖を煽る演出になっていますね。 いま観ると黄身が流れた目玉焼きを自分の分にする優しい奥さんの描写やヌメリと動く気持ちの悪い背景、クッションが青く光ったりと細かな部分まで描かれています。 本作に一度だけある優しい旦那さんが声を荒げる場面は恐怖でしかありません。 冒頭から結末の分かる作品で、そのままだんだんと報われない方向に向かっていきます。 悲しさを直に訴える戦争映画の100倍辛く、間違いなく戦争を起こしてはいけないという気持ちになるので多くの方に観て欲しいと思います。
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