レビュー
Till

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4 years ago

4.0


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ゴジラ(1954)

映画 ・ 1954

平均 3.6

のちの特撮、怪獣映画に多大な影響を与えた本多猪四郎監督の代表作。 まさに原点にして頂点。近年のハリウッド版がいかに不出来かがよく分かる一作で、まさか本家がこれほど深いドラマだったとは思ってもみなかった。映像面でもかなり頑張っていて、さすがにハリウッドには敵わないものの、60年以上前の作品にしては十分すぎるほどの迫力。また、モノクロというのがゴジラの着ぐるみ感を誤魔化す絶妙なカモフラージュになっていて、不思議と違和感も感じにくい(もちろん感じるところもあるけど)。 そして、本作は「怪獣映画」であると同時に、至極真っ当な「反核映画」でもある。ここがハリウッド版との大きな違い。水爆実験が及ぼす影響力の「大きさ」をゴジラという巨大生物の「大きさ」へと物理的に変換させることで、水爆の恐ろしさをより直接的に表現している。ゴジラに対する「恐怖」が、そのまま水爆に対する「恐怖」に結びつくような作りになっているのだ。ラストの山根の悲痛なセリフがこの映画のすべてと言っても過言ではないだろう。 今ではただの大味モンスター映画化しつつあるこのシリーズ。それはそれで面白いとは思うが、一度初心に立ち戻り、この映画の本質を見つめ直すべきではないだろうか。ハリウッドでも「GODZILLA」ではなく、「呉爾羅」の映画を作ってほしいです。