レビュー
怒野デス郎

怒野デス郎

5 years ago

4.0


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ザ・ホワイトタイガー

映画 ・ 2020

平均 3.5

インドへは一度旅行したことがあるが、観光では分からないインドの現実に打ちのめされた カースト下位の持たざる者が成り上がるサクセスストーリーなのに、こんなにカタルシスのない作品も珍しい それはインド国内の特殊な話ではなく、実はとても普遍的な風刺になっているからに他ならない 大地主一家が政治家に賄賂を贈り税金を免れる様が描かれていたが、ここまで露骨じゃないにせよ、GAFAのCEO連中のような超大富豪たちも、莫大な利益を挙げながら、あの手この手でほとんど納税していないことが分かっているし、世界中で格差は広がるばかり 使用人は富豪の金をピンハネするなどということは発想すらせず、バカ真面目にそれを届けていたが、現実も一般人ほど1円も誤魔化すことなく真面目に納税しているわけだ 不条理のようだが、それは合法的に行われていて、社会がそういう仕組みになっている そういう意味では、本作で描かれたインドとの違いは、露骨かそうじゃないかだけなのだ なんか税金の話ばかりになってしまったが、カースト下位の使用人を檻の中のニワトリに例えて、反抗するという選択肢すら思い浮かばない、というのは日本人ほど思い当たる節があると思ったり 作中、何度か他のインド映画について語られるが、ラスト主人公がカメラ目線になり、彼の従業員たちがわらわらと集まり………踊らんのかーい!ってスカすの最高だった