レビュー
2019年258本目は実在のプロレス一家をもとに彼らの奮闘を描くコメディドラマ、『ファイティング・ファミリー』。 ------------------------------------------------------------ 主人公のサラヤはこよなくプロレスを愛し、プロレスに身を捧げる18歳の女の子。加えて家族の面々が全員個性の塊で見ていて飽きません。兄貴がフィアンセを連れてきて両親による顔合わせが行われるんですが、一般家庭との差がありすぎて引いちゃうレベルですし、一歩間違えたら子供も犯罪者になっててもおかしくないです。そんな彼らを一致団結・繋ぎ止めていたのが「プロレス」だったんだなぁとしみじみ感じます。 ------------------------------------------------------------ プロレスはお約束の流れや台本に沿って行われていて、全てが本物ではないのは百も承知ですけど、決して広くないリングの上で全速で体同士がぶつかるわけですから、相手を信頼してないとできない芸当です。サラヤは初めて家族のもとを離れて単身WWEの世界に挑み、他者との信頼を築き上げること、自らがプロレスを続ける意味を問い直すことになります。この過程がまぁ健気で泣ける。 ------------------------------------------------------------ 惜しむべくはこうした問いかけに対し、プロレスを扱った本作ならではの答えが出せていない点で、最終的にはよくあるサクセスストーリーに収まってしまった感があります。特に本作におけるザ・ロックの使い方は反則と言っても良く、サラヤの成長を妨げています。 ちなみにモデルとなったご本人はかなり苦労をされていて、挫折や試験不合格を繰り返した末にやっとスターダムの座を掴んでいます。やっぱり現実はフィクションの何倍も厳しいんですね。
いいね 9コメント 0


    • 出典
    • サービス利用規約
    • プライバシーポリシー
    • 会社案内
    • © 2024 by WATCHA, Inc. All rights reserved.