ギリシャの北に位置するマケドニアの首都スコピエから20キロほど離れた山岳村ベキルリヤ。 電気も水道もない故郷の谷で、寝たきりの老母と暮らす自然養蜂家女性ハティツェムラトバの生活を追ったドキュメンタリー。 「半分はわたしに、半分はあなたに」 それが持続可能な自然を守るための彼女のルール。 しかし7人の子供と牛たちを引き連れてキャンピングカーでやってきた一家の出現で彼女の生活は変わっていく。。。 予告編で観た美しい映像はそのままに、彼女の過酷とも言える人生を強烈に映し出す構成は見事。 心地よい風の音、美しい山岳の風景、芳醇なハチミツの輝きとは裏腹に、彼女の人生は孤独で貧しく厳しい。 自然の恵みを描いた『ビッグ・リトル・ファーム』とはある意味対照的な作品でした。 （2020.9.20@出町座）