レビュー
ラブストーリーであり、ヒューマンドラマであり、ファンタジーでもある本作、どの視点から見ても最高の作品。『恋愛』『家族愛』など様々な愛のストーリーを体感することができる。 死期が近づくウィリアム・"ビル"・パリッシュ(アンソニー・ホプキンス)のもとに現れた死神。死神は人間の世界に興味を持っており、ビルを死後の世界に導く前に、青年のからだを借りてこの世界を見て回りたいと希望し、ビルにガイドを頼む。この申し出を受け入れざるを得なかったビルは承諾し、家族に死神を紹介することに。その際、死神を架空の名前であるジョー・ブラック(ブラッド・ピット)として紹介する。ビルやそのまわりの人たちと暮らすなかでジョーが『愛』とは何か『人間』とは何かを実感していくストーリー。 以下ネタバレあり 序盤にとある青年が衝撃的な死を遂げるシーンから一気に作品のなかに引き込まれた。 ファンタジーな設定ではあるが、序盤以降ストーリー展開はゆっくりと進んでいく。テンポが遅いという意見もあるとは思うが、個人的にはこのスピード感が非常に心地良かった。 家族の団らんやジョーとスーザンが惹かれ合っていくシーンは幸せな気持ちにさせてくれる。 死神のジョーが愛や情熱といった一番に『生』というものを感じることができる瞬間を楽しんでいるのは皮肉な話ではあるが、死神も孤独を感じ、愛に飢えているという設定はおもしろい。 また、この作品を通して『愛』とは何かについて考えさせられる。 『好きなものを奪う?それは愛じゃない。生涯を懸けて相手への信頼と責任を全うすること。そして愛する相手を傷つけぬこと。それに無限と永遠を掛ければ愛に近づく。』 これはビルが愛するスーザンをあの世へ連れて行こうとするジョーに対して発した言葉である。ジョーはスーザンのこれからのこと自分が死神であることを考えずにただ一緒にいたいという自分本位の気持ちだけしか考えていないことへの説教で、セリフにもあるように愛する相手を1番に考えた行動を取らなければならない。 劇中で語られる愛についてのセリフは先程示したもの以外もほとんどが相手を中心に考えること、相手の全てを受け入れること、相手を思いやることという相手本位の言葉が多かったように思える。誰しもが1番は自分が可愛いと思ってしまうもので、相手への気遣いだったり、思いやりが欠けてしまうこともあるかもしれない。ただ、この映画をきっかけに少しでも相手を思いやって行動できるような人になりたいと感じた。
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