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枯れ葉
平均 3.7
楽しみだった6年ぶりの復帰作。(∗ˊᵕ`∗) アキカウリスマキの代表 “労働三部作” のスピリッツは、68歳になった今もここに健在でした。 今後、語られるのは労働4部作と言われる事になるでしょうきっと! それほどに監督のスタイルを終始纏った作品でした。 アキ監督特有の淡色・文学的で抑揚を抑えたシンプルなラブストーリーなのにも関わらず、人間讃歌を謳い裏拍子のユーモアもあります。 今作で面白かったのが、全体的にレトロな雰囲気であり乍ら、ハッとするリアルタイムな「現代」の風刺が要所要所に散りばめてあること。 ロシア・ウクライナ戦争をラジオニュースで何度も何度も流してみたり、映画館で観る映画のチョイスが THE DEAD DON'T DIEで 後ろのポスターが市民運動だったりするから、そこは新作ならではのオフビートなメッセージですね。 そして胸の内を表現した音楽の使い方がいつも素敵。 例えばラジオから流れる戦争ニュースにうなだれ、歌チャンネルに替えると 「愛に臆病なあなた・・なぜ答えてくれないの?」と歌詞が流れる。ヒロインは、携帯電話に何度もうらめしく視線を注ぐ…。 今想い馳せる彼への気持ちが、流れる歌詞とリンクする。 飄々とした作風であり乍ら常に心の機微を追うアキカウリスマキ作品が好きです。 そうそう、携帯電話を使用した作品というのも今作が初めてですよね。とても新鮮でした。 監督がかつてより敬愛する小津安二郎に通ずる静の作風と、フェルメール画のような計算された構図にも好感しかないです。 竹田の子守唄がラジオから流れるのも カフェの卓上に折られた折り紙があるのも、小津好きらしい小道具でした。 それから。よく何処かに出演しているアキ監督。今作はどこだ?…あゝ居なかった。ちょっと寂しかった。 又創り続けてほしいな。静かなる作風に浸れるひとときは至福なのです。