レビュー
星ゆたか

星ゆたか

2 years ago

3.0


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セイント・フランシス

映画 ・ 2019

平均 3.6

2024.1.27 主演のケリー・オサリバン(83年生まれ)さんが脚本を書き、夫のアレックス・トンプソンさんが監督。 自身の体験に基づく話の内容らしい。 女性特有の〔生理、妊娠、中絶、産後うつ、子育て、性差別、キャリア〕など。 これほど直接、特に中絶後の〔不正出血〕が度々描写されるには驚いた。 ただ34歳のヒロインの妊娠後の年下の彼26歳が、“常識の誠実さ”で対応するのは。 とかくその現実に男性が逃げたり、女性が冷淡に扱われたり、結局中絶費用もらえれば“イイほう”でないの!。 でないのは。 見ていて男性として一応納得する。 このヒロインは大学中退後、中々自身の満足する定職につけず。 食堂の給仕として働いているが。 レズビアンの両親の所の6歳の女の子の子守り(ナニー)をひと夏の仕事に決まると。 職場でエプロンを投げ捨て、嬉々盛んに去っていく辺り。 キャリアとして食堂の給仕という仕事は、あちらでは生活の為の最低ラインにあたるのかな。 年下の彼氏とセックスフレンドになるのも、その彼が同じで、“同業”憐れむ心理からみたい。 また彼女の意識の中には年下の彼のミレニアル世代との違いがあるらしく。 彼氏に友達と言われる事を否定する場面がある?。 またその後、子守りの女の子の通っているギター教室の先生と。 いい仲になるのも性欲要求の延長上の事らしく。 このヒロインにとって妊娠~中絶の流れは、さほど驚くべき事ではないらしい。 その辺がサラリとして、むしろ笑いの要素になっているのは。 これまでの例えば「17歳の瞳に映る世界」(20年エリザベス・ヒットマン監督)の。 中絶手術の重さ暗さはあまりない。 ただスマホに受胎エコー写真を記録する所は、幾分生命への親としての責任配慮を感じさせる。 そして中絶費用は半分づつ払う事を彼女の方から言う。 でも、彼女の性意識には、ちょっと私としてはやや❓チョンマークの気分で見続ける事に。 まだこれは男と女の性の遊びの意識の違い? ただ6歳のラモナ・エディス=ウィリアムスさん演じる、その子守りの中で。 仲良く心を通わせる日常の色々なエピソードや。 その白人の母親の次の子の出産後の“うつ”精神的悩みを。 自分の中に、一人抱えこみ苦しむのでなく。 黒人の同性パートナーや子供に対して、そして更にナニーのヒロインなどと分かち合う事で、乗り越えようとする展開は気持ちよく見られた。 特に母娘とヒロインで花火見物に出る場面。 その母親が赤ちゃんの授乳を公園の中、つまり路上で始めると。 同世代らしき男の子二人の母親が近づいてきて。 『公衆の面前でするべきでない!』と批判。 更にレズビアンの親と聞いて『それは子供はお気の毒!』と言う。 その時、母親のジェンダーとしての遠慮がちの態度に代わってヒロインが。 その自分より年上のその母親に向かって反論し、やり返す辺りは一緒にスッキリ気分になって笑える。 これは子供の前だからこそ、《異なる意見、思考は尊重すべき》 とするべきとする辺りだから爽快。 しかも、ここでは6歳の女の子に『私はフランシス、あなた名前は?宜しく』とその相手の母親に手を差し伸べる(大人の)対応をさせている。 ややこの子供は普通に子供らしい所と。反対に子供の境界を越えた理性ある、大人ぶりの言動に。 その名前のフランシス(聖人)に宛がきしている部分があるようだ。 しかし大人は子育ての期間に子供に教えられる教訓は確かにあるので。 これは理にかなっている所でもある。 また日本では避妊について。 アフターピル(緊急避妊薬)が市販化してないので。 男性の避妊が意識化されやすいが。 あちらは男性が『避妊してないの?』と行為の後から、聞き直すのも少なくないようだ。 この映画あちらでは2019年に。 日本ではコロナ禍で遅れて2022年に公開された。