レビュー
このセンスのない邦題はどうかと思いますが、原題は「ビーバー」。うつ病になった主人公が人形を使って喋ると、まるで別人のように自信に満ちあふれ、何もかもが上調子に。でもこれは自分と向き合うことのできない主人公が無理矢理作り出した別の人格で、彼はそこに逃げ込んでいるんですね。だから全く事態は好転していないわけです。 これは日常的に生活している我々にもよくあることで、何かから逃げようとして酒やドラッグやタバコやセックスにのめり込む人がたくさんいる。主人公を演じるメル・ギブソンもまさにそんな人間の一人で、おかげで今や仕事なし、業界では敵だらけになってしまいました。そんな風に重ね合わせて見るとますます面白い映画だと思います。 ところがこの映画の凄いところは後半で、主人公がこの状況からどうやって立ち直るきっかけを掴むのかという下り。これはびっくりすると思います。ただ、これによって主人公だけではなく、家族にも問題があったことがはっきりと突きつけられる展開になっていますし、いかに支えてくれる人間の存在が大事かがわかるシーンです。ジョディ・フォスターってやっぱり才能あるなー、と思いましたね。
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