レビュー
これまた邦画によくありがちなエッセンスの詰め合わせと申しますか、障害をもった恋人という障壁、避けがたい何かが起こると突如立ち込める雷雲、感情がピークに達すると大声を上げながら川沿いを走り出す主人公…と三種の神器を当然のごとく押さえているどころか、大杉漣演じる父親の今時有り得ないほど偏見と差別に満ちたキャラクター、せっかくの濡れ場をベッドのシーツですっぽり覆い隠す暴挙まで見せられ、途中で完全にやる気を挫かれてしまいました。 うだつの上がらない気弱な男をやらせたらピカイチの『プロの童貞』こと星野源の役作りは鬼気迫るものがありますが、これが度を越して最早気色悪いレベルで、私なんぞは夏帆との恋愛模様よりも何故彼がこんな性格になってしまったのか、その出生の秘密を知りたくて仕方ありませんでした。 最後の破天荒な展開はいったい何をどうしたらこうなるのか理解不能で、確かにこの男が娘につきまとっているのを見たら、私も大杉漣と同じことをしたかもしれません。
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