レビュー
アリちゃんパパ

アリちゃんパパ

5 years ago

4.0


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ちりとてちん

テレビ ・ 2007

平均 3.7

若狭の塗り箸職人の家系に生まれた女の子が、女流落語家になるまでを描いた朝ドラの名作です。 徹底した関西落語のリサーチの上に成り立つ人間ドラマの鮮やかで楽しいこと!多数の登場人物のそれぞれに見せ場を作り、笑いあり、涙ありの物語に仕上げた脚本が見事です。NHK大阪らしい手慣れた喜劇演出によって関西落語の楽しさを教えてくれました。 そしてキャストの頑張りは、賞賛に値します。ヒロインの貫地谷しほりは、落語のみならず三味線まで身につけ八面六臂の活躍です。サブキャストの皆さんも良い仕事をしていますが、特筆すべきは母親役の和久井映見と師匠役の渡瀬恒彦です。和久井は、おっとりしているけれど家族を深く愛している母親を実に嫋やかに演じています。そして渡瀬恒彦は、弟子達や大阪落語の将来を慮って懸命に奮闘する名人落語家を滋味豊かに演じています。彼はそんなに器用ではなく、生硬な演技をしがちだったのですが、生まれ育った関西言葉で演じたことで演技に幅と艶が生まれました。本作が彼の生涯の代表作です。