レビュー
ジュネ

ジュネ

7 years ago

3.0


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ゴールデン・リバー

映画 ・ 2018

平均 3.3

2019年150本目はフランスの巨匠ジャック・オーディアール監督が初めてハリウッドで製作に挑んだ『ゴールデン・リバー』。 硬派な作りの西部劇かと思いきや、チグハグ兄弟の珍道中を描くロードムービーになっており、これまで人々の過酷な運命と、そこから立ち上がる人間の剥き出しのエネルギーを中心として物語を紡いできたジャック・オーディアールらしからぬ一作でした。 真面目で奥手・無意味な殺生を良しとしない兄のイーライに対して、酒と女と殺しに溺れる粗暴な弟のチャーリーですが、殺しのスキルに優れているのは兄貴の方であったり、本作のあちこちに垣間見えるのはこうした「微妙なズレ感」です。 終盤の兄弟に突如として訪れるあっけない幕切れもそうですし、イーライが病に倒れ次の朝目覚めると目の前に「現実と信じられない謎の光景」が広がっていたりと、今ここでそんな話しますか?と言いたくなる絶妙な外しのテクニックがシニカルな笑いを誘います。 監督の新境地とも呼べる不思議な映画でしたが、ひょんなことから期待とは真逆の転機が訪れる人生の皮肉さと可笑しさを教えてもらえる快作に仕上がっています。