古畑任三郎や相棒と並び、今や作れば売れる状態の人気キャラと化したガリレオシリーズの劇場番第２作で、高い評価を得た前作『容疑者Xの献身』に続き今回も良い結果を残せるか…というのが1つの注目ポイントですが、いざ蓋を開けてみてみると全体的に地味の一言です。 劇中では過去の回想シーンを度々挿入し、「何かがあった」ことをしきりに匂わせておきながら、後でそれを別の視点から捉え直して「実はこうだったんです」と種明かしをする作りになっているものの、最初のシーンで簡単に解ってしまうほどストーリーが浅い上に見せ方として何にも上手くありません。 また、全く無関係な人間のこの先の人生を破滅させるかもしれない最低の犯罪にも関わらず、主人公も周囲の人間もまるで「本当の悪人は誰一人いなかったんだ」とでも言いたげな美談に仕立てあげようとするウェットな雰囲気が非常に不愉快です。これは東野圭吾の原作そのものが持つ問題と言えるかもしれませんが、何でも義理人情で押し通そうとするのはお門違いでしょう。