レビュー
やっぱり劇団新感線は安定して面白い。というか、安定してるのは演出家と脚本家のおかげだろうか。起承転結がしっかりしているので分かりやすいし、ちょっとしたコメディも交えているので飽きることがない。殺陣も多いので、迫力もあるし、舞台装置も見事だ。 今回も都を巻き込んだ壮大なお話しだった。これくらいのスケールの物語は見ごたえがあっていい。多少突拍子がなくても、小さく纏まるよりよっぽど面白いと感じる。ただ、不満としては、九尾の狐の伝説や安倍晴明の伝承などをもっと盛り込んでほしかった。九尾の狐が大陸より渡ってきたという伝説は実際にあるが、日本に渡り、人に化けるがそれが実際の人物だったり、狐に纏わるような人物の方が面白い。賀茂利風という人物は実在しないらしい。それが少し残念だ。あと、最後に晴明が喜怒哀楽を取られてしまうが、それも何か史実に基づいていれば良いのだけど、特にないらしい。そういうちょっとした小話を盛り込んでいたら、さぞ納得したのになぁと思うが、それは期待し過ぎだろうか。 今回、キャストが豪華だ。今をときめく人気俳優が揃っている。中村倫也、吉岡里帆、向井理。この俳優陣であれば、集客は良かったことだろう。でも、正直この人たちいまいちだった。劇団新感線のノリについていけてなかったかなぁと思う。舞台の芝居ではなかったかなぁ。吉岡里帆は可愛いけど、それは認めるけど、いまいちだったなぁ。 しかし、その中で唯一はまっていた俳優がいた。竜星涼だ。彼の芝居はこの劇団にはまっていた。中島かずきのシナリオにはお決まりのはみ出し者集団のリーダーをなんの違和感もなく演じていた。舞台映えもする。高身長に小さい顔、筋肉質で均整の取れた体、2.5次元俳優としても人気が出そうだ。ぜひそっちの方面でも活躍してくれることを期待している。
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