レビュー
原作はとても良くて活字の一つ一つに情景を思い浮かべて読みました。 期待値が高い中、映画を観ましたが満足のいく作品になっていて良かったです。 山と森しかない田舎で育った外村直樹(山崎賢人)は高校時代に出会ったピアノの調律師にあこがれ、専門の学校を出て調律師になる。 彼が仕事を覚えていく上で知り合った人々や様々な経験を静かに描いたお話です。 物語は大きな山はなく、美しい景色が織り成すようにストーリーも静かに進みます。 原作にもあったように「良い羊が良い音をつくる」とか、普段は知らない調律の様子などが印象的でした。 そして配役がとても良かったですね。 ピアノを連弾する佐倉姉妹の二人(上白石姉妹)もピッタリだし、外村の先輩、柳さん(鈴木亮平)も良い。 山崎賢人は素朴な性格で、迷い失敗しながら調律を覚えようとする姿が意外にもマッチしていました。 登場する人物が原作のイメージを壊さずに期待通りだったのは嬉しいです。 原作での故郷の山や森の風景に影響を受ける様子をどう表現するのかも気になっていましたが充分に味わえました。 姉妹のピアノに対しての経緯はあっさりとしていたけど、今後の二人にも期待。 そして山で暮らし森に育てられた外村がコンサート・チューナーを目指す未来にも広がりが感じられました。 丁寧に描くべき原作を美しくまとめた良い作品でした。
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