
uboshito
良いこと悪いこと
平均 3.4
殺人犯は誰か?という方向では非常に面白かった。予定されている人がその通りに殺される、というのは「見立て殺人」の変形版のようでもあり、回避できない死という意味では「ファイナルディスティネーション」シリーズのようでもある。殺され方も、小学生時代の「将来の夢」に合致した内容でわりとエグく、よくここまでのストーリーラインでやってくれたなという気持ちで、最終話まで見れた。 ただ、真犯人とその動機が完全な「後出し」となっていて、日テレは「考察系」とか言って張り切って盛り上げてたみたいだけど、日テレドラマって毎回、後出しの情報が多すぎるので考察のしようがないじゃん、という部分は今回も鼻で笑うしかなかった。こんなのわかるわけないよ(笑)。こんなもので「考察系」とか自称するなら、ちょっとミステリーについて不勉強すぎると思う。視聴者が「与えられた情報の範囲内」で考察できないものは考察系ではないのですよ。 また、新木優子がいじめられていたという箇所がやや謎で、倉庫に閉じ込められるというのは確かにいじめだし、いじめに軽いも重いもないのだけれど、それでもあまりに描写が軽いので、テレビだから規制したのか、あの程度で重症なトラウマを抱えるほど傷ついたのか、よくわからなかった。実は、自分もいじめ被害の当事者だったけど、普通に1年間クラス全員から無視とか、上履きに毎日のように画鋲刺されるとか、机に死ねとか書かれたり引き出しにゴミ入れられるとかされていたので、新木優子の被害がライトに見えてしまったのは仕方がないのだろうか。と思っていたら、いじめ被害者は1人じゃなかった…ってだから、それ「後出し」だろって!w 加害者側も今は大人になって、家庭があり、子どももいて、「あの時のことは反省している」「変わらなきゃ」みたいなことを言うシーンがあるのだけど、ここの伏線というか前振りはなかなかだった。実際のいじめの加害者がこんなふうに反省(更生)などするわけもなく、その人間性は変わることなどありえない。だからこそ、最終話で「いじめ加害者など全員死んでしまえばいい!」という犯行動機の提示は、痛烈なメッセージとして心に刺さった。そのフレーズは、いじめ被害者がおそらく全員、思っていることだから。そして被害者は、大人になっても心に傷を負い続け、「いじめ加害者は死ね!」と本気で思っているから。だからそれをドラマの映像で見せられるというのは、なんとも表現のしようのない、得体の知れない気持ちになった。 実際、ドラマ内の加害者連中も過去のいじめのことはすっかり忘れていたし(ここはリアルだった)、加害者の更生などあり得ないという爪痕を残した点では、「聲の形」に異を唱えているようでとても良かった。「聲の形」は、加害者にも反省の気持ちはある、みたいな、いじめ未体験の人が描くフィクションにしか見えず、現実のいじめ加害者は、おそらく今もどこかで人をいじめている。家庭では子供と楽しく過ごしながら…その意味では最終回で主人公の子どもが同じようにいじめに遭う部分は高く評価できる。描写としては不快だし、そんな展開はどうかと思うけれども、お前がやったことはこういうことだ、ということを、ドラマの中の話としてではなく、現実世界に存在する、このドラマを見ているすべてのいじめ加害者に思い知らせたいという制作者の意気込みを感じられたから… 間宮祥太朗ファンとして見始めたものの、前半と打って変わって、後半から最終話は完全にダークモードで、このレビューもすっかり暗い雰囲気になってしまったけれど、今は元気に暮らしています(笑)。ドラマも、前述のように、ミステリーパートは非常に楽しめたし、毎回のオープニング(ポルノグラフィティ!)で、誰かが殺されるたびに走る子供も消えていく、という趣向も面白かったので、こういう作品は今後もどんどん作っていってほしいな、と思いました。ただし考察系はもううんざりなんで、淡々と「犯人誰だろー?」というミステリーのみで頑張って欲しいです。